大規模な「しし座流星群」が世界で観察されたのは1998~2002年です[1][2]。その時の流れ星の原因はテンペル・タットル彗星のかけらです[3]。この彗星は33年周期でのかけらを軌道上に放出しており[3]、運が良ければ2034年~2037年大規模な流星群が観察されるそうです[4]。なお、彗星と流れ星の違いは以下のように整理できます。

この大規模な流星群が観測されていた頃にアニメ「異世界おじさん」の「おじさん」は事故で昏睡状態となります。ストーリーはこの昏睡から17年後に目覚めるところから始まり、17年の空白の時間を挟んだ前後の変化を現実の日本にリンクするような形で描きつつ、「おじさん」が眠っている間の鮮明な記憶も交えながら進行する異世界系コメディーアニメです。
しし座流星群を観測したのが高校生前後であれば、いじられる側として世代間ギャップを楽しめる作品だと思います。
なお、私が確認した範囲ではこのアニメ作品のエンディングに流れ星の映像はありますが、彗星の話は出てきません。
[1]Return of the Leonids 2008/12/04 NASA
[2]2001年「しし座流星群」出現概況 (NAOニュース) 2001年11月22日 AstroArts
[3]In Depth | 55P/Tempel-Tuttle – NASA Solar System Exploration
もくじ
しし座流星群とアニメ「異世界おじさん」
このアニメ作品でなんで流星群の話なの? あと、テンペル・タットル彗星は観測困難だって知ってる?
そうなんですよね。空白期間をおいて登場した「おじさん」がハレー彗星っぽいと思ったんですが、時代が「おじさん」とズレていて、時代が近いテンペル・タットル彗星を取り上げてみました。地味なんですけど。
派手な彗星として注目されたマックノート彗星に関しては発見が遅かった上にもう帰ってこないしね。それはそうと、今年12月は丁度ハレー彗星が丁度折り返してくるタイミングだって知っているかな。
そうなんですね。ハレー彗星の受け止め方が時代ごとに違っているのが、アニメ「異世界おじさん」の第1話等で異世界と現代の価値観の対比についての言及が近いところがあると思いましたので、項目として整理してみました。
アニメ「異世界おじさん」を見るにあたって
まずは第1話を観れば分かる
アニメ「異世界おじさん」は第1話から非常に凝縮された内容になっています。第1話を観れば世界観、笑いの方向性、キャラクターなどが理解できるかと思います。笑える展開の中で示される「おじさん」の心の闇を最初からすべてを理解するのは難しいですが、一つ一つ印象に残るシーンとして示されています。
派手な展開の裏に緻密な伏線
第7話までの間にキービジュアルで示されている主要なキャラクターが登場し、それぞれの持ち味とブレない「おじさん」の個性がぶつかり合います。このころになれば、「おじさん」の扱い方・楽しみ方には慣れてくるかと思います。しかし、「おじさん」ばかりに注目してしまうと大事なところを見逃すかもしれません。第8話ぐらいから少し難解なシーンも混ざって出てきますので注意が必要です。
アニメ「異世界おじさん」公式
新型コロナウイルス感染拡大の影響で2022年の年末から延長されていた最終・13話が2023年3月8日以降に順次放送されました。
私は最終回が配信されるまでの時間に、原作を読んで先を確認したいという衝動を抑えながら時が流れるのを待ちました。この時間が絶妙なスパイスとなり、そこまでの展開を裏切らない素晴らしい最終回となりました。
これから見る方は何も考えずただ楽しめる作品だと思いますが、もともと公表されていた最終話タイトル「みんなのおかげだ、ありがとう」に特別な意味が加えられていますので、顛末が気になる方は下記をご参考ください。
- 2023.2.14 第13話の放送・配信開始日について
- 2023.2.13 ツイッターに「2023.2.14 AM10:00」と最終回関係!?のティザー
- 2022.12.26 新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う第13話の放送・配信延期について
- 2022.12.19 TOKYO MXにて『異世界おじさん』第12話再放送決定!
- いよいよ最終・第13話が迫る『異世界おじさん』ですが(以下略)
彗星と流れ星の疑問
彗星・流れ星・隕石それぞれの違いは?
冒頭で説明した通り、彗星と流れ星は全く違うものです。分かりにくいので冒頭の図を作成してみました。
まず、流れ星の大きいものが火球で、地上に落ちると隕石、これらは地球の大気の中の現象です。そして落ちそうなもの流星物質と整理できます。
彗星は太陽に近づいた天体が太陽放射エネルギーによって輝く現象で、地球の大気とは全く関係ない場所で起こります。
流星群はデブリトレイル(ダストトレイル、メテオロイドストリーム)などと呼ばれる流星物質の密度が高い部分が地球の大気と接する時に起こります。
彗星とは?
彗星は非常に遠くからやってくるイメージもありますが、太陽系の一員(太陽系小天体)です[1]。太陽の近くを通過する際には彗星を肉眼で確認できる場合もありますが、これは地球の大気圏外の現象です。2007年に観察されたマックノート彗星[2]は距離も遠いので巨大な現象ということになります。
流星群とは?
流星群もその原因をたどると彗星ということになります。彗星は太陽の周囲の強いエネルギーによって、ほうき星の姿見せると共に軌道上に大量のかけら(デブリ)を放出し、繰り返し現れる彗星ではデブリトレイルが形成されます[3][4]。このデブリトレイルが地球に衝突する現象が流星群として観察されます[3]。
流星群はデブリトレイルと地球の軌道が交差する位置が一定なため毎年ほぼ同じ日に観測され、トレイルと衝突する角度も一定なため見える方向も星座で予想できます[3]。なお、図中の彗星はハレー彗星やテンペル・タットル彗星ではなく、空想的な彗星と流星群です。
テンペル・タットル彗星って地味だけどすごい!?
しし座流星群を聞き起こすテンペル・タットル彗星は、木星や地球などの重力の影響等を考慮した彗星の位置に加え、デブリトレイルの位置が高精度にモデル化されており、1998~2000年の出現時刻を分単位で正確に予測できたそうです[3]。その精度が高いとされるモデルの理論を示した論文[4]では、太陽の周囲で彗星の軌道前後にデブリが分離し、彗星を追従しながら一周するごとにやや彗星の後方にズレてトレイルが形成されると説明しています。
[2]AstroArts:【特集】マックノート彗星(C/2006 P1)の太陽接近 2007年1月19日
[3]2001年のしし座流星群は大出現 パレットおおさき天文情報 2001年9月6日
[4] D.J. Asher(1999) Leonid Dust Trail Theories, Proceedings IMC Frasso Sabino 1999
しし座流星群の彗星は今どこか?
しし座流星群の原因となったテンペル・タットル彗星はだいぶ前に天王星の先を折り返し、現在太陽に向かって運行しています。以下の3Dモデルでは天王星と土星の間を移動していることがリアルタイムで確認できます。
ホウキ星の代表ハレー彗星にも世代間ギャップ
1986年に地球に接近したハレー彗星は現在、約76年周期の折り返しあたりを運行中です。NASAが下記のサイトで、次の太陽側の折り返し時刻を秒単位でカウントダウンしてくれています。次の回帰は2061年です。
さらに以下のリアルタイムの3Dモデルでは、現在ハレー彗星が海王星軌道の外側を運行しているのが確認できます。厳密には今年12月に折り返し点を通過するようですが、76年周期の軌道で、太陽から離れるほど速度が遅いので大まかには既にその位置あることが分かります。
ハレー彗星の前回の接近が昭和末期、その前が明治末期(1910年)、その前が江戸時代(1835年)ということで、1978年生まれの私は小学校で受け止めかたの違いを習いました。いじられる側となる日がじわじわ近づいてきています。
ZTF彗星:2023年1月~2月に双眼鏡で見える?
今見られる彗星があるか調べてみると、実はありました。ZTF彗星。彗星の活動次第ですが、双眼鏡があれば比較的見やすい彗星になるとの予想があるようです。帰ってこないタイプの彗星です。
アストロアーツのiOS / Androidソフト「星空ナビ」便利です。見えてる星に向けると名前が分かります。夕方に西の方角に見えた星が、金星と木星がすぐに分かりました。
今後の細かい位置が知りたい場合は以下でも確認できます。左上のチェックマーク(Set date and time)をクリックし、画面下の日時を調整すれば好きなときの彗星の位置が確認できます。ご参考まで。
theskylive.com Object: C/2022 E3 (ZTF) 2023/1/25 21:00
theskylive.com Object: C/2022 E3 (ZTF) 2023/01/30 21:00
theskylive.com Object: C/2022 E3 (ZTF) 2023/02/04 21:00
2023年1月21日:ZTF彗星について追記
本ページの情報は2023年1月時点のものです。アニメ「異世界おじさん」の最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。










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