新海誠監督の作品は恋愛系、美しい映像というイメージです。44歳のおじさんである私にはとてもハードルが高そう。特に長編作品はヒット作品も多く、気になるところです。果たして、楽しめるのでしょうか。
この記事では新海誠監督の長編作品についてすべて視聴し、恋愛要素で比較つつ、視聴の心構え(予習ポイント)を整理してみました。
結論から申し上げると、不思議な世界観の作りこみがおじさんにも十分楽しめるポイントになっており、恋愛要素が特に邪魔になるということはありませんでした。
新海誠監督の長編作品は恋愛が重要な要素になっているのは間違いありませんが、物語は不思議な世界観の中で展開されるのが作品の共通点です。
この不思議な世界観の構成要素や説明のされ方、主人公が不思議な世界に入り込む方法は作品によって異なりますが、どの作品も非常に細かな点まで作りこまれている印象です。
これらの世界観と恋愛のバランスは作品によって異なりますが、互いに不可分な要素となっており、結果的にはすべての作品を楽しむことができました。
それではまずはおじさんが気になる恋愛要素を比較する前提条件から整理していきます。
もくじ
おじさんが気になる恋愛要素を比較
対象とした新海誠監督の長編作品
筆者の視聴方法
公開順で視聴しました。
「雲のむこう、約束の場所」、「星を追う子ども」、「君の名は。」、「天気の子」は動画配信サイトで、「すずめの戸締まり」は劇場IMAX(R)版で観ました。IMAX(R)については、最後にコメントしておきました。
恋愛要素の比較方法
さて、恋愛要素が強いと何が問題なのでしょうか。おじさんである私がこういった作品の視聴を躊躇する理由は恥ずかしさです。
時には気恥ずかしく赤面してしまうような作品もあります。そして、我に返った時「何やってんだ、おれ」といった軽い絶望感を感じるわけです。
気恥ずかしい場面でダメージを受けているイメージですので、初期点数10点から、恥ずかしく、赤面してしまう場面で減点してみれば分かりやすいと思いました。ここでは、この点数を「赤面ライフゲージ」と称して、評価してみました。
新海監督の作品は見た後で考え直すとじわじわ来る部分がありますので、視聴後少し間をおいて考察した後の評価で、ランキングしました。
「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」、「這いよれ! ニャル子さん」等は総合的に見て楽しめるアニメ作品ですが、このあたりを赤面ライフゲージ10点中1点として評価してみました。最後まで視聴しようか迷うギリギリのレベルです。
まずは恋愛要素のみ検討してみようと思います。楽しめるかどうかは、後半にまとめて記載しました。
恋愛要素の赤面ライフゲージの比較結果
おじさんが新海誠監督作品を見る上で気になった恋愛要素を比較しました。初期点数10点から、恥ずかしく、赤面してしまう場面で減点する「赤面ライフゲージ」で評価してみました。
【1位】星を追う子ども
■■■■■■■■・・(赤面ライフゲージ:10点中8点)
ヒロインと相手役の境遇の違いがポイントになります。不思議な世界観の中で多面的にヒロインの心情が試されています。気恥ずかしさを避けるという観点では安心してみられます。
【2位】雲のむこう、約束の場所
■■■■■■■・・・(赤面ライフゲージ:10点中7点)
心情の振れ幅が大きい作品です。地方で暮らす3人の中学生に、不思議な世界観をぶつけることで、独特の深みが出ている作品です。謎解きがとても深く、相対的に恋愛に関する気恥ずかしさは感じませんでした。
【3位】すずめの戸締まり
■■■■■・・・・・(赤面ライフゲージ:10点中5点)
相手方の境遇が特殊で引き込まれます。表面を追うとヒロインの行動に「なぜだろう?」と感じる部分がありました。しかし、いちいち説明しない描き方は、新海監督の「雲のむこう、約束の場所」から続く手法。振り返ると視聴中とは違う見え方になるかもしれません。視聴後あれこれ状況を整理してみると、面白い作品だと思います。
【4位】君の名は。
■■■■■・・・・・(赤面ライフゲージ:10点中5点)
有名な「入れ替わり」がヒロインの心情にどのように影響するかが見どころです。しかし、実際見た人にしか分からない驚きの展開があります。「やられた」という感じです。恋愛以外の要素も大きいため、回復を考慮し5点としました。瞬間的に大きくライフを削られる面もあるので、見やすさは4位としました。
【5位】天気の子
■■■■・・・・・・(赤面ライフゲージ:10点中6点)
今回の評価で最大のダメージとなりますが、まだまだ耐えられるレベルです。ヒロインと相手役の境遇によって、ささやかな交流がほほえましく感じられる作品です。世界観の不思議さは新海誠監督の作品としては抑え目なこともあり、相対的に恋愛部分が際立つ作品です。
恋愛要素まとめ
新海誠監督の長編作品のすべて視聴しましたが、恋愛要素で瞬間的に恥ずかしい場面はありましたが、作品を楽しむうえでの障害になるという感覚はありませんでした。
「気にする必要はなかった。」というのが正直な感想です。
おじさんでも楽しめるか
時系列順に5作品を視聴させていただきました。実際作品を見た結論としてはおじさんでも問題なく楽しめました。
新海誠監督の作品が恋愛恋愛系でおじさんは楽しめないというのは全くの私の思い込みでした。申し訳ございません。
恋愛表現や美しい景色とあわせて、弱者の心情をすくい上げる手法と、主人公を不思議な世界に連れ込むことが、共通の特徴でしょうか。
また、過去の作品とつながっている要素も面白いです。このあたりは動画配信サービスが便利ですね。まだの方は、この機会に試してみてはいかがでしょうか。
私はここで紹介した長編4作品をU-NEXTで視聴しました。U-NEXTでは「すずめの戸締まり」の冒頭映像も導入の区切りの良いところまで見ることができますのでお勧めです。
事前に知っておいた方が良い予習ポイント
新海誠監督の作品について、気になっているけど見ていない方や、どの作品から見たらいいだろうとお悩みの方に向けて、実際の長編作品すべてを見て理解しておいた方がより楽しめたのではと思う点を作品ごとに整理しました。
雲のむこう、約束の場所
予習1(時系列の変化を見逃さない)
時系列を前後させる部分があります。登場人物は少ないので、「容姿の変化」や「表示される時間経過」を見逃さないようにすると良いと思います。
予習2(繊細な謎解き要素に注意)
謎解きに関しては分からなくなる可能性はあります。自然な場面で最低限の説明しかしてないので、見逃さないようにしましょう。また、設定を受け入れず、無駄な抵抗をすると混乱します。美しい映像が適度な間になりますので、頭の中で整理しながら見ると良いかもしれません。
星を追う子ども
予習1(専門用語は気にしなくてもよい)
頻出するカタカナの専門用語は無理に覚える必要はないと思います。映像で理解できます。私はメモをしならが見ましたが、もっと別の部分に集中した方が良いと思います。
予習2(気になる要素を後から振り返る)
主人公の目的が都度示されており、物語がスムーズに展開していきます。その分、流れの中で大事なシーンでもスルーしてしまう可能性があります。見終わってから振り返ると共通のテーマで印象に残ったシーンがつながっていく構成だと思います。
君の名は。
時間経過は少しだけ注意が必要ですが、それ以外は特段予習的要素はありません。独立して楽しめる作品だと思います。
「雲のむこう、約束の場所」、「星を追う子ども」の2作品を見ていると表現の意図がより鮮明に感じられるかもしれません。
天気の子
特に必要な予習はなく、独立して楽しめます。事前に何か気構えして見る必要はないと思います。
過去作についても繋がりはありますが、本筋とはあまり関係がない部分だと思います。5作品の中で最も独立性が高いように感じました。
すずめの戸締まり
以下のオフィシャルの注意書きはよく読んでおきましょう。それ以外は、特に必要な予習はありません。
映画『#すずめの戸締まり』ご鑑賞予定の皆様へ【映画『すずめの戸締まり』公式】
独立して楽しめる作品ですが、「星を追う子ども」を見ていると表現の意図がより鮮明に感じられると思います。「雲のむこう、約束の場所」については迷うところがありますが、設定を受け入れやすくするためには見ておいても良いかもしれません。
全作品共通
各作品の後半で大小の真実が明かされる場面が必ずあります。見る側としてはその真実を前提として、過去の場面の意味を考え直すことが必要になります。
そのためにも気になるシーンは記憶に残しておき、鮮明なうちに考え直すのが良いと思います。もちろん、繰り返し見る手段があればそれもお勧めです。
性別や人柄によって記憶に残るシーンは違ってくると思いますので、多様な見方ができるのではないでしょうか。
私はここで紹介した長編4作品をU-NEXTで視聴しました。U-NEXTでは「すずめの戸締まり」の冒頭映像も導入の区切りの良いところまで見ることができますのでお勧めです。
新海誠監督の長編作品の見る順番【お勧め】
1つだけ見たい場合
- 「君の名は。」、「天気の子」、「すずめの戸締まり」の内どの作品でも。
2つ見る場合
- 「君の名は。」、「天気の子」、「すずめの戸締まり」から2つの組み合わせ。
- 「星を追う子ども」>「すずめの戸締まり」
3つ見る場合
- 「君の名は。」>「天気の子」>「すずめの戸締まり」
- 新海誠監督の恋愛表現の幅を感じ取れる意味でお勧めです。
- 「雲のむこう、約束の場所」>「星を追う子ども」>「君の名は。」
- 「君の名は。」を見ておらず、時間が十分に取れる方には新海誠監督の作風を総合的に理解できるためお勧めです。
- 「星を追う子ども」>「君の名は。」>「すずめの戸締まり」
- 「すずめの戸締まり」の準備として、新海誠監督の表現の幅を感じ取れる意味でお勧めです。
4つ以上
時系列がお勧めです。
IMAX(R)はすごいぞ
最後に「すずめの戸締まり」を劇場IMAX(R)版で観た感想を簡単に。
- キャラクターの方向からセリフが聞こえる。効果音についても同様で、「すずめの戸締まり」は3D作品ではありませんが立体感を感じました。
- 振動も表現されています。映画が始まる前に流れるIMAX(R)のデモでは、爆発音と地響きが存分に体感できました。「すずめの戸締まり」でも効果的な場面で使われていました。
「すずめの戸締まり」のIMAX(R)での一日の上映回数が限られてきています。気になる方は見逃さないようにご注意ください。
本ページの情報は2022年11月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。









