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空想がスムーズ・アニメ「映像研には手を出すな!」。この作品で印象的な空想シーンを生み出している構造をイメージしてみました。

空想がスムーズ・アニメ「映像研には手を出すな!」

皆さんは仕事や日常生活で「万策尽きた![1]」と感じたことはありませんか。そんな時には現実的な思考をいったん外して、空想してみたいところです。

しかし、いざ空想を広げようにも、きっかけをつかむのは非常に難しいものです。現実から切り離して物事を考えるための参考になりそうな情報としては、以下のサイトではアーティストの御経験[2]から空想画(Surreal art)を描く手法として、風景と生き物を組み合わせる一般的な手法を含めて5つの手法を簡潔に記載されています。5つ目の通常必要なものを取り除き不完全な描写をするというのは、仕事や日常で視野を広げるために有効な場合もあるかもしれません。

[1]アニメ「SHIROBAKO」第2話冒頭より

[2]Different Ways to Create Surreal Art – Famous Portrait Artist

そんな空想の広げ方をアニメで示しているのが、「映像研には手を出すな!」です。

アニメ「映像研には手を出すな!」のここがお勧め

ご紹介するアニメ「映像研には手を出すな!」は、アニメ制作に挑戦する3人の高校生の奮闘ぶりを描いたアニメです。

時系列通り進む全12話の構成で、1話毎の区切りもよく、4話毎に大きな盛り上がりもあります。1話ずつ時間をおいてみることもできますし、まとまった時間ができたときに4話毎に見て映画感覚で視聴を進めることもできるます。

高校生がアニメ制作に取り組もうとすると、どのような問題が起きるのかが具体的に示されており、その問題に右往左往する様子が面白いです。

よくよく見なおしてみると強引なところもあります。しかし、ストーリーと勢いで、つっこむ隙もなく最後まで見ることができる作品です。

アニメ制作の現場を全く知らない、(けどちょっと興味がある)私も予備知識なしに楽しめる分かりやすいアニメです。

私はU-NEXTでアニメ「映像研には手を出すな!」を観ました。

個別の予習ポイント

空想シーンについて

この作品の見どころは、主役の3人がアニメ制作に挑戦する中での空想シーンです。通常のアニメとは異なり、このアニメの空想シーンは大きく場面を切り替えずに、現実に溶け込む形で表現されてます。

効果音は浅草さんが自ら声で表現されているのも面白いところです。

特段の説明もなく、突然始まる空想ですが、それがとても自然に見えます。これが自然に見えるのは、主役達の容姿など理由は色々とありそうです。

この理由の中で私が注目したポイントは、空想力のエリートによる重層構造です。このアニメの空想は以下の構造を背景にしています。

  • 現実のアニメ制作会社
    • 漫画原作者
      • アニメ制作に挑戦する高校生
        • 作中の空想

この構造によって、主役たちにとっての現実と空想の壁が取り払われてしまっているのではないでしょうか。主役は個性の違う3人ですが、それぞれのタイミングでスムーズに空想の世界に飛び込んでいっています。

知らない世界であるアニメ制作の裏側を想像しながら、これは誰の視点だろうと考えながら見るのも、この作品の楽しみ方ではないでしょうか。

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空想の世界に導く達人・浅草さん

主役の3人の中でも最も空想力の高い浅草さんですが、第1話から好きなアニメについて解説する場面でその力を発揮しています。

皆さんはアニメで違和感を感じるポイントはありませんか?

  • 過剰なファンタジーが受け入れられない
  • 原作だと自然な流れがアニメでは脈絡がなくなる
  • 表現が斬新すぎて内容が入ってこない
  • 動きとセリフがあっていない(←これは観すぎ)

浅草さんのアニメ解説では、上記のような違和感を普通の人は気付かないような些細な点まで掘り下げています。

そして、そこを突っ込むのではなく、高い空想力により包み込んで「製作者の意図」を汲んで表現として観察しているのが特徴です。

浅草さんはどうやって身に着けたのかアニメ制作についての造詣が深いキャラクターとして設定されています。

チームワークをするときは積極的に「浅草さん」になり、身近に「浅草さん」がすでに発生していればその空想には付き合ってあげると、世の中を面白くできるのではないでしょうか。あくまで比喩ですよ。

アニメーターの観察

空想とはいえ、なんの手がかりもなくゼロから何かを始めるって大変ですよね。

第2幕となる第5話から8話では、浅草さんに次ぐ映像研第2のクリエーター水崎さんに焦点を当てつつ、空想のプロであるアニメーターが現実の光景をどのように観察し、アニメに向けた体験としてどう整理していくかが描かれていきます。

しかも取り組むのは「ロボットアニメ」、空想の化身ともいえるロボットを扱う繊細で難しいテーマですが、様々な仕掛けで見事に乗りこなしています。

第7話では描かれている人間が椅子から立ち上がるために必要な条件については驚きです。実際やってみると確かに立ち上がれないのです。是非アニメを観て試してみてほしいと思います。

立ち上がれない理由は水崎さんの絵を見てとても納得がいきました。超常現象ではなく、物理的な説明ができるものだと分かります。水崎さんがスポーツの技術をアニメで解説してくれればとても分かりやすくなりそうです。

観察で空想の幅が広がる

この作品では「椅子」以外にもたくさんの例を通して、現実の観察から動作の背景を感じ取って、アニメとして表現していく様を生き生きと見せてくれます。浅草さんは人の動作ではなく、町の特徴について観察し、そこから空想を広げていきます。

こういった観察・体験の積み重ねが、アニメーターの背景にあると思うと、普段見るアニメも違って見えます。

仕事や実生活で何かに悩んだとき、まずは小さな一歩を踏み出してみることによって、新たな現実をつかんで前に進めることは良くあります。

何か煮詰まった時に「映像研には手を出すな!」を見ると、とりあえず行動してみようという気になります。

こういった時に便利なのは動画配信サービスです。私は好きな時に「映像研には手を出すな!」を見て気持ちを上げています。続きが気になるアニメです。原作漫画はだいぶ先まで描かれているようです。

現実の突きつけ方にリアリティ

本作品の物語の中の出来事にはリアリティがあり、アニメ制作の現実を突きつける内容もあります。しかし、絶妙なあれやこれやにより、決してネガティブな方向へ沈み込むようなことはありません。

映像研でクリエーターの2人が抱くアニメを作りたいという思いと現実との間を取り持つのが、金森さんです。第3幕(第9話~第12話)は金森さんの活躍が光る内容となっています。

金森さんは全体の工程管理を行いつつ、クリエーター2人のやらないことをすべてカバーする超人です。絶妙なあれやこれやを支える屋台骨となります。

映像研に参加する理由をドライに語りつつも、浅草さんが始めた空想シーンにはちゃんと付き合ってくれています。

リアルを追求しつつも、ストーリー全体としては私が勝手に想像するアニメ制作の現場のように殺伐していないのが良いところです。

公式情報等

公式ページが遊び心を感じる面白い作りになっています。予告動画もほぼ第1話の内容に限定しており、アニメを観る前でも楽しめます。

私が空想シーンと呼んでいたものを、中と人は「妄想世界」と表現していました。言葉に没入感が不足していました。反省。金森さんの声優様のキャストコメントの繊細さに驚かされます。このあたりは見た後の方が伝わるかもしれません。

コンペ向けか「英語文化圏」に向けてもアピールしてます。ストーリーに関しては日本語併記で書かれてますので、英語の勉強にもなります。「screening event」と言われると会社説明会、もしくは「カイジ」的な何かかと思ってしまいますが、映画の上映会だそうです。

そして画面を横切るアニメーション、早すぎて見えません。クリックしようとしましたが捕まえられませんでした。裏からつかむのは性分に合いません。

本ページの情報は2022年12月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。


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